キャメロットで毎年恒例の武術大会が開催される。アーサー王子の従者となったマーリンは、試合の練習、試合のマナーと甲冑の着せ方を覚えること、武器を磨いたり修理したりすること、と仕事が山積みでへとへとになる。 前年の優勝者であり、キャメロットの王子でもあるアーサーは、今年も優勝を当然のことと期待され、大きなプレッシャーを感じていた。 いよいよ大会が始まり、全国から集まった騎士達が激しい戦いを繰り広げていく。その中でも一際強さを見せる騎士ヴァリアントに注目が集まる。しかし彼はひそかに魔法で毒蛇をその盾に忍ばせてきていた。 それなりの強さを誇るキャメロットの騎士イヴァンと対戦したヴァリアントは、観客の死角でイヴァンに盾を押し付け、毒蛇に彼を襲わせた。首筋に残った蛇の噛み痕を見つけたガイウスは首をひねるが、武器庫でヴァリアントの盾に違和感を感じていたマーリンは、彼が魔法を使っているのではないかと疑問を抱き、ウーサーに告発しようと考える。 |
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しかし、キャメロットにおいて騎士は尊敬されるべき存在。たかだか使用人の分際で、確固たる証拠もないまま騎士を告発することは、マーリンの死を意味しかねない。 ガイウスにそう諭されたマーリンは、揺るがない証拠を手に入れるべく、ヴァリアントの部屋に赴く。3匹の蛇のうち1匹の頭を切り落としたマーリンは、ガイウスが解毒剤を作る傍らでアーサーにこの事実を告げに行った。この蛇の頭と、ガイウスの解毒剤で回復するであろう騎士イヴァンの証言があれば、ウーサーもヴァリアントを放置は出来ない。 しかし、ヴァリアントはマーリンの企みを見抜き、先手を打ってイヴァンを殺してしまった。騎士ヴァリアントを告発したものの、証人を殺されて告発を取り下げざるを得なくなったアーサーは、ヴァリアントとの最終戦に怖気づいて告発したかのように扱われ激高する。自分を信じてほしいと懇願するマーリンに、アーサーはクビを宣告した。 とは言え、アーサーもヴァリアントの盾に禍々しいものを感じずにはいられず、翌日の決勝での死を覚悟する。危ないと分かっていながらなぜ戦うのかと問うマーリンに、「王子として戦うこと、勝つことを期待されている。これがオレの務めだ」と静かに告げた。お気楽王子に見えるアーサーの双肩にかかる重い務めに、マーリンはやっと気が付く。 アーサーを死なせはしないと誓ったマーリンは、魔術によって戦いの最中、ウーサーの目の前で蛇を実体化させることを思いついた。しかし、何度呪文を唱えても、実験に使った犬の石像はどうしても生身に姿を変えない。一晩中試したマーリンが疲労困憊で朦朧となった時、ようやく呪文が効果を発揮した。 その時、既にアーサーとヴァリアントの試合は火蓋が切って落とされていた。果敢に挑むアーサー。実力での劣勢を悟ったヴァリアントは、イヴァンと同じようにアーサーを観客の死角に追い込んで盾を押し付けようとする。なんとかヴァリアントを跳ね返すアーサー。 跳ね返されたヴァリアントがウーサーの前まで後ずさった時、マーリンの呪文によってヴァリアントの盾から毒蛇が姿を現す。ようやくヴァリアントの盾に魔法がかけられていたことを知ったウーサーと観客は驚き、自棄になったヴァリアントは盾から蛇を揺すり落としてアーサーを殺すように命じる。2匹の毒蛇に迫られるアーサー。とっさにウーサーから剣を抜き取ったモルガナの機転によって、アーサーは無事毒蛇を撃退し、ヴァリアントにも決着をつけた。 告発が間違っていなかったこと、臆病でないことを証明できた事、今年もチャンピオンとなって王子としての期待と義務に応えられたこと。アーサーは胸を張って闘技場を後にする。入場門の近くにいたマーリンの肩をひとつ小突いて。 その夜、王子アーサーの優勝と武術大会の終了を祝う祝宴が開かれた。勝者の特権としてモルガナ姫をエスコートするアーサー。モルガナにウーサーはヴァリアントの件で過ちを認めたかと聞かれ、ウーサーは謝りはしないと返す。最初は穏やかな雰囲気だったが、「女の子に助けてもらって」とモルガナに言われ、助けてもらった覚えはないと言い返したアーサーによって、2人はさっさとケンカ別れをした。 祝宴に出ていたマーリンのとこへアーサーがやってくる。マーリンを信じなかったことを謝罪するアーサー。マーリンは再びアーサーの従者に戻り、山のような仕事を言いつけられるのだった。 |

[和訳・原作]

[放送データ]
2008/09/27 18:00~ BBC One Episode 2:Valiant |
2009/10/12 20:00~ NHK BS2 第2話:勇気ある者 |
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